top of page

算命思想

《陰陽説》

宇宙の創造活動は全て、『陰・陽』二つの側面を持っています。

』の働きは、分化・発展です。

』の働きは、統一・含畜・復元です。

その陰・陽の作用は和合しバランスを保つことで創造活動が保たれます。
つまり陰・陽の関係は「対待」で、引き合い、助け合うものです。

樹木を例に取ると、木は陽の働きで葉を茂らせ、活発に分化しながら繁茂しますが、伸びすぎると根幹の養分が不足し木全体の活力が無くなります。

陰の働きである養分を蓄えることが陽の働きを維持する上で重要になります。
陽の働きだけでは、やがて自爆や破滅を招きます。
むしろ、算命占法においては、統一し活力を元に返して根幹に蓄える、陰の働きこそが重要であると説きます。
これが、算命占法の理論的原理に老荘思想が重要視される理由です。

《五行説》

人間は天と地の間で生活をしています。

』という文字は、二と×との合字で二は天地を表し×は天地間に陰陽の交わる様を表しています。

人はまず、太陽が東から昇って西に沈み、東西二つの方位があることを知ります。
次に、一日が昼と夜とで成り立ち、春に東風が吹いて草木は青く芽吹き、秋に西風が吹いて実を結んだ後、枯れてやがて白くなることを発見します。

つまり、東と西の二つの方位を知り、昼・夜の二つの時、春・秋の二つの季節と、青・白二つの色、水・火の二つの生活必需品など『二』という数を形作ります。

新石器時代に太陽の働きや寒暖の変化から、四方(東西南北)や四季(春夏秋冬)、四色(青赤白黒)や生活必需品である四材(木火金水)を知ります。
春秋時代に、東西南北の四方に向かって、内から外に展開しているだけではなく、東西南北それぞれから内に向かっている方向(中方)に気付く。つまり、五番目の方位、自身の存在や居る場所である中心を示す方位です。

後、これに呼応して青、赤と白、黒の真ん中に「黄色」を、春夏と秋、冬の真ん中、または各季節間を結ぶものとして「土用」を設け、四材に「土」が加えられました。
これにより日常生活不可欠な方位や季節、色や材を『五』という数でまとめられ、やがて『木・火・土・金・水』と言う五材を軸に『五行説』として統一され、体系化されていきます。

五行は万物全てに表され、陰陽説と結合した五行説は天文学や律暦にも影響します。
つまり、地上の諸々の現象だけではなく、天の星の運行も陰陽五行説の原理によって律されると考えられたのです。

正しく日常生活を営んで行くに当たっての五種類の活動の仕方、さらには社会的規範、およびその基調となる思想律・道徳律へと広がっていきます。

その過程で干支(十干、十二支)とも結びつき、「干支五行説」となり、哲学的にいっそう深められ、人の運命をも推しはかる「命理学」へと発展します。

五行“木・火・土・金・水”】

五行には、木行、火行、土行、金行、水行、があります。
それぞれの活動形態と五行を表す自然事象は次の通りです。

木行-上へ上へと伸びて、発展・繁茂する活動形態-『陽-樹木・陰-草木』
火行-明るく燃えて照り輝き、万物を暖めて育む活動形態-『陽-太陽・陰-灯火(焚き火)』
金行-野放しに伸びたり、無制限にどこまでも拡張・発展して、かえって自らの活力を弱めてしまうのを

   制御し、行き過ぎを調整する活動形態-『陽-鉄鉱石・陰-宝石』

水行-無為自然に流動しながら万物を潤して、物事の運行を滑らかにする活動形態-『陽-海・陰-小川

   (雨)』

土行-木、火、金、水の全てを含み、育て統括する活動形態-『陽-山・陰-田畑』

【十干・十二支】

暦で知られる干支は、十干十二支で成り立っています。
十干・十二支共に、五行があり陰・陽二つの働きを内蔵しています。
十干は、甲(陽の木)・乙(陰の木)、丙(陽の火)・丁(陰の火)、戊(陽の土)・己(陰の土)、庚(陽の金)・辛(陰の金)、壬(陽の水)・癸(陰の水)
と十種類に分化し「天干」と呼ばれます。

十二支もまた、陰・陽、五行に分かれ、子(水)、丑(土)、寅(木)、卯(木)、辰(土)、巳(火)、午(火)、未(土)、申(金)、酉(金)、戌(土)、亥(水)と十二種類あり「地支」とも呼ばれます。

算命占法において、十二支「地支」は、人間の一生に象徴される生命の生成・発展・収斂・閉蔵の循環過程を十二の段階に分けて、それぞれの段階で本人を取り巻く内外の状況を示したもので、十干「天干」は、その各段階の状況に本人がどう対応すべきかを表しています。

算命の固有な占技の「十大主星」と「十二大従星」は、この十干と十二支から導き出されます。

bottom of page